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STYLE  過去・現在・未来の様々な視点で堺の持つ魅力を発掘/検証/企画/提案

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ママライター葵の堺レポート@観濠クルーズSakai

クルーズ船にのって堺を巡ることができるってご存知ですか? ゆったりと心地よいスピードで、いつもと違うアングルから、ちょっとリッチな堺観光。

申し遅れました、ママライター葵です。堺で体験できるおもしろいアレコレを、この身で実際に味わい、当サイトでご紹介しています。前回、堺の観光名所を自転車で巡る 1泊2日の堺女子旅 をご紹介しましたが、今回は自転車ではなく船! 「観濠クルーズSakai」をご紹介いたします!

 

クルーズはセレブだけのものじゃない

 

クルーズと聞くと、青い海に浮かぶ白いクルーザー、背中がパックリ開いたドレスの女性と、タキシードに蝶ネクタイの男性がシャンパンで乾杯・・・そんなリッチなイメージがあるかもしれません。が、ご安心ください。

  • この観濠クルーズは平服でOK(むしろドレスだと浮くかも? 船だけに)
  • 飲食物の持ち込み自由(近くにスーパーあります)
  • 船を降りる頃にはなぜか堺通になっている(素敵な特典付き)

そんな誰もが気軽に楽しめる船旅が、なんと50分間1000円!!

コスパ最高の、ある意味リッチなクルーズなんです。

観濠クルーズ乗り場

 

What’s かんごう? 

 

なるほど、クルーズの雰囲気はなんとなくわかりました、じゃあ観濠って何? という方のために、簡単にご説明しますと・・・

中世の時代、堺が南蛮貿易の拠点として栄えていたということは、みなさん社会科の授業で習ったかと思います。貿易によって莫大な富を得た堺の豪商は、武士による支配を受けない自治都市を形成するため、海に面する西側以外の三方に濠をめぐらせました。これが “環濠” です。南北約3km、東西約1kmにも及ぶ広大な都市を囲んでいた環濠は、今でも一部川としてその姿を残しています。で、その “元・環濠” である内川・土居川を観てまわるのが、“観濠クルーズ” なわけです。

観濠クルーズの乗り場は、南海堺駅東出口を出てすぐ、ロータリー南の川べりにあります。はためく水色のフラグが目印。基本的に土日のみの運航で、多い日は1時間毎に6便運航されています。空席があれば予約なしでも乗ることができますが、予約するのがベターです。

 

頭、気をつけてくださーい

 

前置きが長くなりましたが、受付を済ませて船に乗り込み、いざ出発!

このクルーズ、ただただ50分間静かに遊覧しているわけではありません。ガイドさんがノンストップで堺の歴史や見どころを教えてくれるんです。昔の写真や歴史的な資料を見せつつ、お客さんの笑いを誘うのも忘れず。とにかくボーッとしている暇なんてありません。堺の歴史や観光地のことも、こんなにおもしろおかしく解説してもらえるなら、とっつきやすくて興味がもてるはず。ちなみに、先ほどの環濠のくだりも、ガイドさんの解説の受け売りです。

あ、ノンストップといったものの、この弾丸トークを遮れる人がひとりだけいました。それは、船尾で運転している船頭さん。内川・土居川に架かる橋はなんと20本 (‼︎) もあるのですが、その橋の下を通るたびに、進行方向に背を向けてトークしているガイドさんに「頭、気をつけてくださーい!」と注意を呼びかけるのです。そのときの潮位にもよりますが、この注意喚起がなければガイドさんの後頭部が橋にぶつかってしまうほどギリギリのところを、船は進みます。

そうそう、堺の歴史といえば、この川・・・もとい環濠は、今でこそクルーズ船が通るほどに整備されていますが、昭和40年代は雑排水の垂れ流しや川底に溜まったヘドロで悪臭を放つ、いわゆる “どぶ川” だったのだそう。その悪臭たるや、近隣の住民はとても窓を開けられないほど。川沿いにある小中学校だけ、公立なのにその時代からクーラーが完備されていて、他校の生徒から羨ましがられていたとかいないとか。

堺の歴史上重要な意味をもつ環濠がこれではいけないと、行政をあげて水質改善に取り組んだ結果、今では川底が見えるほどの水質となり、水鳥や魚の姿も見られるようになりました。どぶ川時代を知る人からすれば、この観濠クルーズは考えられないことだったでしょうね。歴史や観光だけでなく、環境への意識も高まるクルーズ。どうです、ちょっと行ってみたくなってきませんか?

 

ワタシ銅像デハアーリマセン

 

環濠をひととおり巡ったあとは、スタート地点を通過して海へ向かいます。手を振って送り出してくれるスタッフ(これもお仕事です)が指さす先にあるのは・・・

環濠に架かる橋・・・の上の、等身大の南蛮人!!  実はこの南蛮人、銅像に見えて銅像じゃないんですよ。いや、最初は銅像として作られたんですけど、完成を迎える頃になって、橋の上に銅像を作るのが法律違反だと判明(堺市痛恨のミス)。そこで、急遽この南蛮人の両手を橋の欄干に添えることで、「これは銅像ではなく、橋の一部だ」と主張したのです。堺市のゴリ押し感がハンパないですが、それが認められたというのだからこれまた驚き。

ちなみにこの銅像・・・じゃなかった、橋も、内川・土居川に架かる20本の橋のひとつで、名前を「南蛮橋」といいます(そのまんま)。歴史や観光、環境問題にとどまらず、こういった堺の雑学まで押さえている観濠クルーズ、ますます行きたくなってきたでしょう?(どうぞどうぞ~)

 

ナナメ下からの臨場感

 

この南蛮人付きの橋をこえて水門をくぐると、そこからが海です。水門の手前あたり、左手に堺魚市場がちらりと、本当にちらりと見えるのでお見逃しなく。クルーズ船は、龍女神像の足元を通り、旧堺燈台と南蛮貿易の壁画の間を通り抜けます。堺の名所をこの距離感とアングルで・・・これはきっとこのクルーズ船からしか味わえません。もちろん写真や動画は撮り放題。SNSに投稿すれば、なんかいいことあるかも。

観光スポット目白押しの港を抜けて、いざ大海原へ! ・・・といきたいところですが、そこまで行ってしまうと到底50分では帰ってこれなくなってしまうので、ここでUターンしてスタッフの元へ。

環濠と港をゆったりのんびり遊覧できて、堺についても詳しくなれるという大満足の内容。それでいて大人1000円、小学生以下は500円、乳幼児なら大人1人につき1人分無料という安心価格。なんともリッチなクルーズ!

 

春こそ、CanGo!

 

この観濠クルーズを体験できるのは、春と秋だけ(だって夏は暑いし冬は寒いですからね)。春は3月末~6月、秋は9月~11月の、それぞれ週末です。この日は11月末だったので、紅葉した川べりの木々が水面に映り、とてもキレイでした。 

 

紅葉の季節もいいですが、桜の通り抜けができる “お花見クルーズ” もおすすめ。この期間のみ、平日でも運行している日がありますよ。2020年のお花見クルーズは、2月1日(土)から予約開始! この機会を見逃すことなかれ! クルーズ船は貸し切ることもできます。食べ物や飲み物を持ち込んで、船上パーティをしてもいいですね(最大搭乗人数18人、料金18000円)。

 

船を降りて10分ほど歩けば、 SAKAINOMA。実はここも隠れたお花見スポットだったりして。クルーズ体験の冷めやらぬ感動をシェアしに、まだまだある堺のリッチな体験を探しに、ぜひともお立ち寄りくださいね〜!

 

【観濠クルーズSakai】

電話予約 072-229-8851

予約開始 2月1日(土)

受付時間 10:00 - 16:00

HP>>>


Author
檜垣 葵

生まれは岸和田、住まいは堺。子育てママ応援情報サイトMama Oasisの編集長の顔をもつ2児の母。できた夫のおかげで、昼夜問わずふらっと出かける自由な主婦。

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