2023 年 8 月 26 日 ( 土 ) から堺旧市街地、大道筋沿いに残る江戸末期に 建てられた築 200 年の町屋「KARINOMA 旧武石商店」にて、大阪を拠点に活動をしている美術家、中島麦さんの個展、「みえ ない色 / みえる時間」を開催します。

重い引き戸を開け瞬間、思わず声が出た。

江戸時代後期に建てられたという時間に、初めは面くらい つつも空間の中にしばらく身を置いていると徐々に見えな い色が見えてきた。

刃物関係の工房と住居だった会場となる武石商店は、文化 財として保存や修復されている建物ではない。生活様式や変化により増改築が繰り返されているその場は、 時代ごとに分けられた標本箱のように感じた。

僕は絵画の基本要素である [ 動き・奥行き・光 ] の色彩を 探求し近年はそこに物質と重力が描く時間を加えた抽象絵 画を制作している。

今展では、必然と偶然の中で作り出されたツギハギの時間 の中に色と多様なタイムラインを持つ作品を空間と対話し ながら配したいと考えています。2023 夏 中島麦