SPOT 堺を体験・発見できるスポット
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NEIGHBORHOOD熊
光と陰のコントラストのはざまで優しい時間に包まれる -八六八ビル-
元々実家が営んでいた印刷会社だったという、コンクリート打ちっぱなしのビルをリノベーションして作られたカフェ。大きく看板やメニューがでていることもなく無機質な印象。
しかし、一歩足を踏み入れれば、中は天井高く広々と解放感のある空間で、やさしい空気が流れている。店内の窓から入り込む優しい光と、無機質なコンクリートが生む陰影が美しい。ただ、その空間はおしゃれなのに張りつめた空気感はない。店主の人柄はもちろん、家具や器などの小物やディスプレイなど、どれもがこの店らしさで溢れている。そんな雰囲気がそうさせるのか、自然と一人でも行きたくなる。
勝手ながら、この心地よさの理由はいったい何なのか考えてみた。導き出した答えは、「適度な距離感」。全てにおいて、適度な距離感が保たれている。店主とお客さんとの距離感、席と席の距離感、この建物に刻まれてきた印刷工場としての歴史と今との距離(時代)感。どれも遠すぎず、近すぎず、古すぎず、新しすぎない。主張はしないけど、確たる芯がある、そんな感じがきっと安心感と心地よさを生み出しているのではないだろうか。
メニューはスイーツとドリンク中心の構成で決して多くはないが、自家製の全粒粉のスコーンをはじめ、どれも店主が丁寧につくりあげているものばかり。ミニスイーツ三種とドリンクのセットがおススメ。一人で読書や物思いに耽るもよし、友達と会話を楽しむのもよし。カフェは数あれど類をみない居心地を感じられる空間。自分にもやさしく、人にやさしくなれるお店。