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糀が醸し出すスローな変化を楽しむ - 糀屋雨風 -

元禄2年創業。雨の日も風の日も、休むことなく天秤棒を担いで醤油を売ってきたことから、この名前がついたのだとか。創業から330年以上経った今は、糀の製造を軸に味噌や醤油、甘酒といった発酵食品を製造販売している。

雨風の味噌は、すべて天然醸造仕込みの生味噌だ。
「天然醸造」とは、人為的に熟成を加速させず、自然の温度に任せること。大量生産には向かないが、時間と手間をかけた分だけ滋味深い味わいに仕上がる。
「生味噌」とは、出荷後も菌や酵素が発酵を進めるいわゆる「生きた味噌」のこと。常温販売を可能にするために加熱殺菌する市販の味噌との大きな違いだ。
いずれも決して生産効率が良いとは言えない製法だが、昔ながらの伝統的な味噌が醸し出す自然な甘みは、ほかとは明らかに一線を画す。

職人が手間暇かけて手作りした糀は、直営店舗で好きな量だけ買うことができる。隣接する工房では、一年を通して味噌作り体験ができ、直営カフェではアイデア溢れる発酵料理を楽しむことができる。

なるべく自然に、できるだけシンプルに。
伝統を継承しながら時代の変化に順応してきた老舗の姿は、速さや効率性を追求してしまいがちな私たちにスローな暮らしを提案し続けている。

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