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STYLE  過去・現在・未来の様々な視点で堺の持つ魅力を発掘/検証/企画/提案

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ママライター葵のSAKAI REPORT@1泊2日の堺女子旅

こんにちは、ママライター葵です。
普段は家族以外と旅行することってほぼないんですが(かといって、家族ともしょっちゅう行ってるわけでもないんですが)、先日友人と1泊2日の女子旅をしてきましたー! 2人とも元々旅行が大好きで、結婚するまでは国内外問わずあっちこっちへ行ったもの。でもやっぱりママになるとそう簡単には出かけられないもので。友達と旅行なんていつぶりでしょ!

タイトルにもあるように、今回の旅の行き先は堺。堺に住む二人が、堺に旅行。遠くに行くのもアリですが、自分の住んでいる街って案外知らない場所や、知っているのに行ったことのない場所が多かったりしませんか? それに、堺旅行だなんてこの先の人生であるかどうかわからないし。それにそれに、しょっちゅう会っている友人でも一緒にお泊まりしたことはない! そう考えるとこの堺女子旅、なんだか普段の生活では気づかない新しい発見がたくさんありそう!
ってことで、 “宿泊してこそ味わえる非日常な堺”、テンション高めでお届けしまーす!

 

本日のお宿はSAKAINOMA residence熊。このWEBサイトでも紹介しているように、周辺には観光名所や美味しい飲食店がいろいろあり、堺旅の拠点とするにはちょうどいいお宿です。スタッフに尋ねれば、コンシェルジュのように近隣のおすすめスポットを教えてくれますよ。

15時頃、宿のフロント機能をあわせもつSAKAINOMA caféでチェックインを済ませ、奥にある客室へ。


▲町家は奥が深い

静かで落ち着いた6畳の間には、堺のよさ・大阪のよさ・日本のよさを味わえるモノがあちらこちらに伺えます。タオルや歯ブラシなどのアメニティひとつとっても、そのデザインや使い心地の良さにこだわって選び抜かれているんですって。「これはどこの?」と、スタッフに聞いてみるのもおもしろいと思います。

さて、窓際に座って庭を眺めていると、時たま通るチンチン電車の音と風鈴の音色が重なり、なんともいえない風情や情緒を感じることができます。当時の堺の人々は、日々の暮らしの中にこうやってゆったりする時間をつくり、心を落ち着かせていたのでしょうか。普段こんな時間をもつことなくバタバタと日常をやり過ごしている私たちにとっては、かなり贅沢なひとときです。

一服したところで、夕方。自転車の町・堺を巡るなら、やっぱりレンタサイクル!このあたりは土地が平坦で移動しやすいし、電車では行きにくい所も多いので、自転車がとっても便利。でも私、普段は車か電車で移動することが多くて、レンタサイクルはこの日が初めて。
宿から歩いて10分弱、堺駅の地下駐輪場にて自転車を借ります(1日300円・レンタルできる場所は他にもあります)。


▲係のおじさんが使い方を丁寧に教えてくれます。


▲好みの自転車を選んで出発!(どれもほぼ同じですが)

さあ、自転車を走らせ向かったのは海!
堺を旅するなら、市のシンボル的存在である旧堺燈台へはぜひとも行っておきたいところ。夕日と夜景のスポットでもあると聞いたので、日が沈むまでに到着せねば!

意気揚々と出発したものの、普段電動自転車に乗り慣れているせいで、久しぶりに乗った普通の自転車が重いのなんの! その重さといったら、パンクしてんじゃないのとタイヤをのぞき込んだほど。脚力の衰えをひしひしと感じながら、燈台へ向かって必死に自転車をこぎます(このしんどさも非日常!)。ちなみに、100円上乗せすれば電動自転車をレンタルできますので、あしからず。

燈台がある旧堺港は、市街地から本当にすぐ。堺駅のそばを流れる土居川からは潮の香りがし、海が近いことを教えてくれます。海が見えてくると、対岸にそびえたつ龍女神像がお出迎え。明治36年内国勧業博覧会で大浜水族館前に設置されたものを、平成12年に復元したブロンズ像なのだとか。そして、彼女と向き合うように立つのは、伝説の貿易商といわれるルソン助左衛門。目の前に広がる海に何を思って手を振っているのでしょうか。

助左衛門にハイタッチし、海岸線に沿ってぐるりと進むと、お目当ての場所に到着。
昭和40年までの約100年間、大阪港を照らし続けた旧堺燈台のモチーフは、堺市民ならいろいろなところで目にします(原付のご当地ナンバープレートにもデザインされています)。が、2人ともホンモノを見たのはこの日が初めて。

見た瞬間、声をそろえて「意外と小っちゃいな!」

こぢんまりとした白い六角錘の燈台のそばに座って、沈みゆく夕日を眺めてみると、これがなかなかにロマンチック。人の往来も少なめだし、夏には期間限定でライトアップされるので、デートにもってこいの場所ですね。
と言いつつ、燈台の周辺に見える工場の倉庫や煙突、南蛮貿易の壁画、そして高速道路のジャンクションが気になって仕方がない2人は「これがなかったらなー」と半笑い。まあ、恋人同士ならそんなもの視界からシャットアウトされて、2人だけの世界に浸れると思いますけどね!

日が沈み、空がうす暗くなってくると、港周辺にぽつぽつと灯りがつき始めます。次に向かったのは、海岸沿いに建つコンテナを改造した建物。その3階にある「カフェ ケ・セラ・セラ」は、海に面している部分がガラス張りになっていて、夜の港を堪能できる穴場なお店です。ライトアップされた龍女神像や、港に停泊するクルーザーなんかを眺めながら海辺の夜を楽しみたい方は、ソファ席やテラス席のご予約が断然おすすめ。

ソファ席でいい雰囲気になっているカップルの後ろで「かんぱーい!」ゴクゴクゴク・・・「プハー!」
普段からよく一緒に飲んでいる二人ですが、やっぱり旅先で飲むビールは格別ですね! 喉を潤しながらふと外に目をやると、対岸に「Bar」という赤い電光文字を発見。あんなところにバー?
「アレ、確実に私らを呼んでるやん」「2軒目、いきますか!」

ここら一帯は工場地帯。夜は人通りもあまりなく、バーなんてホンマにあるんかな~なんて話しながら、赤い電光文字をめざして自転車を走らせていると、暗い道脇にぽつんと建つ小屋のようなお店「Hwaja(ファジャ)」を発見。
足下のライトを頼りに暗い通路を奥へ進み、おそるおそる扉を開くと・・・うす暗い店内のあちこちに妖艶に光る無数のライトが!
「何ココー!」「隠れ家みたい!」と、一気にテンションアップ! カウンターの向こうは一面ガラス張りになっていて、港とその向こうに広がる堺市街地の夜景が臨めます。

この贅沢な空間でいただくハイボールは、やはり家で飲むそれとは全くのベツモノ。普段ロマンチックとかけはなれた生活をしているからか、「こんな素敵な場所、あと10歳若かったらな~」と、友人。10歳若かったら一体どうなんだという感じですが、普段糖質を気にしながらビールとラーメンがやめられない友人の “女の部分” を介間見ることができました。なんしか、女性はいくつになってもロマンチックなシーンが好きなんでしょうね。

でもやっぱりアラサー女子2人旅、ロマンチックでは終われない! バーをあとにして向かったのは、堺魚市場にある「天ぷら大吉」。深夜12時にオープンする行列必至の超人気店とあって、ずっと行ってみたかった場所です。これこそ地元民でもない限り、宿泊なしでは味わえない体験! ほぼ10~20代の若者で構成された大行列の後ろに私たちも続きます。が、さすが噂に名高い長蛇の列。待てど暮らせど順番がまわってきません。せっかちな友人は、ややイラつき気味。きっと普段ならこんな行列、そもそも並んでもいないだろうに、特別な旅だからこそ一緒に付き合ってくれたんですよね。そんな友人の姿もまた、非日常。

ようやく食にありつけたのは、なんと午前3時。「もうみそ汁しか受け付けない」と言いつつ、胃をさすりながら噛みしめた深夜の穴子の天ぷらは、この旅のクライマックスにふさわしい逸品でした。

ちなみに、「天ぷら大吉」は朝9時半まで開いているし、最近ランチ営業も始まったとのこと。夜更かしが苦手な方は“朝天ぷら” “昼天ぷら”を楽しむのもいいですね。

たくさんの初体験と非日常を味わい、胸いっぱい、おなかもいっぱいで宿に戻ってきた2人は、布団に倒れこみ、そのまま爆睡。

翌朝、障子から漏れる自然光を浴びて一足先に目を覚ました友人。布団の中にもぐって寝るクセがある私は、太陽の光ではなく、友人の身支度の音で目を覚ましました。早朝から子どもに叩き起こされずに眠れて、とっても幸せ。でも、明け方まではっちゃけた体は、とっても正直。SAKAINOMA caféの朝食に口をつけて「おいしい・・・」とつぶやいたきり、2人ともほぼ無言(朝食は宿泊客のみ、予約しておけば食べることができます)。一言しか発せられないほど疲れているのに、しかも数時間前に天ぷらを食べたところなのに、まぁまぁなボリュームの朝食を完食できた強靱な胃が、誇らしくもあり憎らしくもある、そんな朝でした。

そして、昨晩のロマンチックな体験が嘘のように騒がしい日常に、二人して戻ってゆくのでした。
今気づいたけど、1泊2日とか言っておきながら24時間も旅してない・・・! なのに充実度と満足度と疲労度は24時間分、いやそれ以上! 嵐のような、でもとっても楽しい時間でした。

 

堺・女子旅を終えて思ったこと。

遠出なんてしなくても、非日常は意外と近くにあるものですね。自分が住む町でも、知っているようで知らない場所、いつでも行けると思いながら一度も行ったことがない場所、そしてよく知っていると思っていた人の意外な一面も発見できました。
一口に堺と言ってもかなり広く、雰囲気は場所によって全く異なります。歴史が深く観光スポットも多いので、新しい発見はまだまだたくさんあるはず。見慣れた景色でも、あえて立ち止まってみる。その場所を、その味を、じっくり楽しむ時間をわざわざ作ってみる。それが、日常のすぐそばにある非日常に気づく秘訣なのかもしれませんね。

 

おしまい


Author
檜垣 葵

生まれは岸和田、住まいは堺。子育てママ応援情報サイトMama Oasisの編集長の顔をもつ2児の母。できた夫のおかげで、昼夜問わずふらっと出かける自由な主婦。

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